羽をくれた君へ。
3人は泣きながら叫ぶ私をただただ見ていた。


何も言わずにいてくれて良かった。


「・・・・・・好きなら、直接言ってよ。分かんないよ・・・・・分かりずらすぎだからっ。きっと、・・・・・・魁音が私に言ってくれたら、私だって言えたのにっ。ずっと、ずっと、魁音のことが・・・・・・好きだって。好きだよ、魁音っ。・・・・・・だから、行かないでよ。・・・・・私の隣でギター弾いてよ。私そんなに上手くない。・・・魁音のギターが一緒じゃないと無理だよーっ。」


私はこれ以上声に出せなくてその場にペタンッと座り込んで泣いた。


ただただ泣いた。


悲しい。


悔しい。


後悔。


それと同時に、感謝。


嬉しさ。


優しさ。


頭の中に色んな魁音の顔が浮かぶ。


「全部、言ったか?」


「うん。・・・・・・・言った。」


顔を手で隠してリクさんに言った。


「なら、このノート。大切にしろ。魁音がお前のために作ったもんだ。・・・・・俺らには手紙しかなかった。でも、お前だけにノートがある。」


私はノートを手に取って見つめる。


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