羽をくれた君へ。

それぞれのletter

俺は魁音からの手紙を持って美紅と一緒に店へ行く。


中に入って俺はカウンターに座った。


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リクへ


まず初めに、雫にギター教えてくれてありがとう。


マジで、リクが教えるなんて思わなかったからびっくりした。


そして、


誰よりも俺の気持ちを理解してくれてありがとう。


普段は照れくさくて言えないけど、最後くらい素直になってみようと思います。


一番最初に出会った時、俺はリクの前で泣いた。


それまで一度も泣かなかったのに。


それから仲良くなって、退院してからも、スタジオに呼んでくれたりして嬉しかった。


あー、俺がもう少し生きられたら一緒にリクのバンドと一緒にライブとかしたかったな。


バンドが憧れだった俺はリクがいつも羨ましかった。


自分でスタジオまで建てて、やりたいことを貫き通す。


そんなに楽しいことはない。


リクの言葉はいつも俺の心に響いた。


なんだかんだ、リクはカッコイイね。


それと、美紅さんのこと大事にしてね。


言わなくても分かってると思うけど、俺から一つだけ。


美紅さんめっちゃリクのこと好きだよ。


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