羽をくれた君へ。
「りょーかい!!」


魁音はいつものように上を向いて深呼吸すると同時にギターを鳴らした。


ブワッ


音が私の全身を覆うような感じ。


瞬間、私の震えが止まらなくなった。


アコギとは全然違う音。


多分、これが本当の魁音の音だ。


いつもより力強くて、ガンガン鳴り響く。


武者震いしていた私の身体。


魁音を見ると、ニヤっと笑ってドヤ顔された。


私は笑っちゃったけど、すぐに目の前にあったマイクを取った。


私も負けずに声を出す。


魁音のギターがストロークを弾いたのに合わせて私が歌う。


第一声は歌というより叫び声に近かったと思う。


「あぁーーーーーーーーーーー!!」


ストロークが終わったのと同時に私は魁音のギターに合わせて歌い出す。


魁音が私を見て驚いているのが分かる。


私はさっきのお返しと思ってドヤ顔をした。


魁音はそれに分かったのか更に音を上げる。


私も負けじと声を出す。


お腹の底から気持ちを吐き出す。


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