羽をくれた君へ。
「へー。そうなんだ。」


とか言いながら内心本当に嬉しかった。


もしかしたら昔みたいに明るくて、優しい家族に戻れるかもしれない。


そう信じていた。


夜の7時にお父さんが帰ってきた。


「おかえりー。お父さん、ケーキ食べよ！」


「あぁ。そうだな。雫、誕生日おめでとう。」


「ありがとう！」


前みたいな優しいお父さんの笑顔。


お母さんも今日は機嫌が良かった。


一緒に食卓を囲むのなんて何年ぶりかもしれない。


「由紀、お父さんからのプレゼントだ。もし良かったら使ってほしい。」


中を開けると、赤と茶色と白のチェックのマフラー。


「うわー！ありがとう！！」


お父さんにしてはいいチョイスだなーって思ってマフラーを見ていると、お母さんが大きな箱を持ってきた。


「由紀。これは私からよ。」


「ありがとう！」


中に入っていたのは黒のショートブーツ。


前から雑誌で見ていたのを気づいてくれたんだとまた嬉しくなった。


「大切にするね！！」


私は汚さないように貰ったプレゼントを自分の部屋に持っていく。
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