羽をくれた君へ。
こんな俺でも、精一杯生きるって言ったからせめてギターを弾こうと決めた。


何日かぶりにギターを弾くとやっぱり楽しかった。


その時、俺は決めた。


死ぬまで俺はギターを弾くって。


俺の気持ちを込めて音を鳴らしてやる。


それが俺の意地でもあった。


入院中、いつもお見舞いに来てくれるのは兄の智哉(ともや)だけ。


俺は多分、ブラコン・・・・・・・・かもしれない。


って言ってもそんなマジな方じゃなくて、憧れって言ったらいいのかな?


友達からも信頼されて、努力家でそんな所がかっこいいと思うと同時に憧れでもある。


俺は智兄(ともにい)って呼んでる。


「おい、魁音!暇してねーかー?」


「暇に決まってんじゃん!んで、今日は何持ってきてくれたの?」


智兄は俺が音楽好きことを知ってるからいつも、楽譜やギターの本、アーティストの雑誌を買ってきてくれる。


大学生だから忙しいはずなのに。


「ん?実は今日は買ってきてないんだよ。その代わり、お前に紹介したい奴がいるんだ。」


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