羽をくれた君へ。
譲れない気持ち・・・・・・・


余命宣告されて、がむしゃらにギターを弾いてた。


でも、前の方がいい音が出てた。


みんなで軽音部でやってた時の方が何倍も楽しかった。


でも、俺は学校からも友達からも逃げた。


俺に残っていた思いは、


ギターを辞めたくない。


ただ、それだけだった。


俺はリクの顔を見てハッキリ言った。


「俺はあと1年で死ぬ。もう少し長く生きられるかもしれないけど、俺には時間がない。だから、残りの時間はギター弾いて過ごそうって決めた。誰にも聞いてもらわなくていい。ただ、弾ければそれでいい。だから、・・・俺にスタジオ貸して欲しい。」


リクは二ターっと笑うと俺の頭をガシガシ撫でた。


「おぉ、いいぞ。・・・・・・それにな、人は生きる目的見つけると長く生きられんだ。お前もきっとそうだ。お前のギターは俺が聞いてやる。・・・・・・・・なんも心配しねぇで音鳴らしてろ。」


その時、


俺は初めて涙をこぼした。

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