羽をくれた君へ。
それはリクも同じみたいで、雫の声を聞いた時本当に驚いていた。


雫は自分の歌声の凄さに気づいてないけど、俺はまだそれでもいいと思った。


雫にずっと歌っていてほしい。


思う存分雫と演奏して、部屋を出ようとするとリクに呼び止められた。


「お前、雫に変えられたんじゃないか?」


「本当に?」


「お前、俺と会ってから今が1番いい顔してんぞ。」


そう言ってリクは階段を降りていった。


・・・・・・雫が俺を変えた。


確かにそうだ。


だからこそ、俺は雫を救いたい。


俺の命が続くまで、雫と音を出したい。


今の俺の願いはそれだけだった。
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