羽をくれた君へ。
「中学生の時、私は家族が大好きだった。仲が良くて、誕生日もクリスマスもいつも家族3人でお祝いしてた。・・・・・家族で出かけたりもしてたの。でも、あの日、家族が壊れた。」


その日を思い出すと、手が震えて冷たくなる。


すると隣にいた魁音がぎゅっと私の手を握ってくれた。


私は強く握り返して続けた。


「・・・・・・・・私の、妹が亡くなったの。」


「・・・・・・・妹?」


「・・・・・・・・そう。高校1年の春。私は新しいスタートが切れるってワクワクしてた。妹は私と8歳離れていた。小学2年生になったばかり。・・・・・・・小学校からの帰り道、妹は交通事故出なくなった。花見をしていた男の人が飲酒してての事故だった。」


私は悔しかった。


妹がなんでこんな目に合わなきゃ行けないの?


何度もその運転手を憎んだ。


「私は学校に連絡が来て急いで病院に行った。そこにはお母さんとお父さんもいた。そして、目の前には・・・・・・・頭から血を流した妹の姿。私はゆっくり妹に近づいた。妹は私が来ると笑った。・・・・・・・ずっと苦しそうな顔で話せないほど意識が朦朧としてたのに、笑った。」


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