羽をくれた君へ。
私の目から涙がこぼれ落ちる。


でも、話始めたら止まらなくて、私は続けて話した。


「そして、私に、・・・・・・おねぇちゃん。雫。って言った。なんで2回も私のことを呼んだのか分からない。でも、次の瞬間妹は息を引き取った。・・・・・・・・私は妹に何も言えなかった。凄く後悔した。なんで、なんで話してくれたのに私は何も言えなかったんだって。」


流れた涙は止まらない。


頭の中には笑ってる妹の姿。


喧嘩することもあったけど私は大好きだった。


今だってそうだ。


春になると必ず思い出す。


「私はその場に立ち尽くしたまま動けなかった。お母さんとお父さんの目から、光が消えていたの。何も写ってなかった。・・・・・妹が亡くなった日から私たち家族は変わった。」


話終わると魁音が私に聞いた。


「1つ気になったんだけど、なんで雫は妹のことを名前で呼ばないの?」


あぁ、やっぱりそこ聞かれるよね。


「妹の名前を出したら、泣いちゃうから。だから、自然と言えなくなった。」


「・・・・・・・・・俺にも話せない?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・桜。」


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