羽をくれた君へ。
「雫だって、あなたの血が入ってるって思ったら嫌だわ。あなたとの子どもだなんて。」


「それはこっちのセリフだ。」


私は扉の前から階段の下に移動した。


何、それ。


私はいらなかったってこと?


お父さんとお母さんの血が半分入っているから、どちらからも嫌われるの?


じゃあ、なんで結婚なんかするわけ?


私の中で感情が無くなっていく、そんな感じがした。


でも、それでも私は表情を戻してリビングに行く。


「お父さん、お母さん、2人ともありがとう!プレゼント大事にするね!!」


いつもなら見せない笑顔で私は2人に言った。


さっきまで睨んでいたくせに、私を見た途端表情を変えた。


「じゃあ、大事にしなさい。」


「うん!・・・・・・・・ねぇ、お父さん。お母さん。・・・・・・・私のこと、好き?」


頭で考えるよりも先にそんな言葉が出てきた。


「もちろんよ!何言ってるのー?」


「そうだぞ。雫より可愛い人なんているもんか。自慢の娘だ。」


表情を変えずに笑いながら言った2人。


「そっか!ありがとう!!じゃあ私先にお風呂入るねー!」


扉を閉めてお風呂場に行った。


「・・・・・・あはは。なんだ。表情1つ変えないじゃん。嘘ばっかりじゃん。誰も私要らないんじゃん。・・・・・・・・なんで、ここにいるんだろう。」

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