羽をくれた君へ。
魁音は少し顔を赤くして言った。


「・・・・・・・・いいの?私、そこに行っても。」


「だーかーらー、そういう話をずっとしてるんじゃん!!どうせ家に帰っても1人なんでしょ?じゃあ、俺の家に遊びに来るとか、リクの音楽スタジオに泊まるとか、美紅さんのお店で1日中歌うとか。色々あんじゃん!!」


ふと、美紅さんを見ると笑って言った。


「魁音の家っていうのはちょっと心配だけど、私の店なら大丈夫だよ。心配いらない。」


私はまた涙が止まらなくて、美紅さんに抱きついた。


美紅さんは優しく頭を撫でてくれた。


私の居場所を作ってくれようとしている2人が何より嬉しい。


私はここにいてもいいんだって言われてる。


私が泣いているのを魁音は優しく見守ってくれていた。


やっと泣き止んで、美紅さんから離れる。


「私、・・・・・・甘えていいですか?」


そう言うと2人は声を上げて笑った。


「「もちろん!!」」


その声に嬉しくなって私は続けた。


「辛くなったら、泊まらせてください。お願いします。」


お辞儀すると魁音が顔を覗き込んで、


「やっと甘えたね。雫。」
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