羽をくれた君へ。
両親が桜の話をしなくなって、2人の前で桜のことを話しちゃいけないんだって思ってた。


なのに、話していいなんて言われても。


「怖いんだ。・・・・・・・花見をしていた酔っ払いに殺されたのに、私が桜を綺麗だなんて見ちゃいけないんだ。桜はそれで亡くなったのに。私が笑顔で見ちゃいけない。」


「そんなことない!!いつまでもそうやってグダグダ言ってる方がよっぽど傷つくよ!!だって、桜ちゃんは雫のことが大好きだったんだろ!?なら、自分のことで苦しんでる雫を見たら、逆に桜ちゃんが可哀想だ!!」


え?


私が悲しんでると、桜が悲しむの?


なんで?


恨むに決まってる。


「そんなの、嘘よ。」


「いや、違う!!・・・・・・雫が桜ちゃんのこと大好きなら、桜ちゃんの分まで笑って生きてなきゃ意味ないだろ!?」


今まで聞いたことのない魁音の叫び声。


周りの人も何事かと私たちを見る。


でも気にせず私達は話す。


「桜ちゃんのために、雫が生きろ!!笑って生きろ!!」
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