羽をくれた君へ。

ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、


聞きなれた電子音。


ゆっくりと目を開けると眩しい光が目に入る。


白い天井に蛍光灯。


「ここ、は?」


「あっ!!魁音!!気づいた!?」


「えっ・・・・・・智兄?」


「そうだよ。・・・・・・・お前、玄関で倒れたんだ。」


「あっ、そっか・・・・・・・。ごめん。」


「気にすんな。お前が無事ならいい。」


また、俺はここに戻るのかな。


「今、母さんが先生と話してるから。後で来るかもな。」


するとコンコンとドアをノックする音。


中に入ってきたのは母さんと担当医。


「魁音君、目が覚めたんだね。体調は?」


そんなの聞かなくても医者なんだから分かるだろう。


そう思ったけど一応素直に答えた。


「大丈夫です。」



「そうか。・・・・・・・分かってるも思うが、もう少しであの日から1年が過ぎる。これは凄いことなんだよ。」


そうですか。


だから、結局何が言いたいんだ。


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