羽をくれた君へ。
俺は別に謝ってほしいわけじゃない。


母さんにそんな顔させてる方がよっぽど嫌なんだ。


でも、俺が言ったら今度はずっと笑ってるだけだ。


泣き顔も見せずに。


極端過ぎるんだよ。


「別に母さんのせいじゃない。・・・・・智兄と話したいんだけど、いいかな。」


「えぇ。私は1度家に帰って入院の荷物持ってくるわ。」


そう言って部屋を出る。


俺は深くため息をついた。


「・・・・・・母さんだって、わざとやってる訳じゃないよ。本当にああいう気持ちなんだよ。」



「うん。分かってる。・・・・・・・・ねぇ、智兄。聞いてほしいんだ。俺の愚痴と気持ちを。いいかな?」


俺は智兄を見て言った。


すると優しく微笑んで俺の横に座った。


「あぁ、いいぞ。」


俺は1度深呼吸してベッドに座った。


そして、話し始めた。


「俺さ、出来ない約束しちゃったんだよ。絶対に無理な約束。・・・・・・・約束なんかしたくなかったのに。夢なんて叶えられないのにさ。・・・・・・バカだよなー。後から思えば。」

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