羽をくれた君へ。
雫には入院してること言ってないのに。


「・・・・・・美紅さんが、教えてくれたの。それで、来ちゃった。」


「・・・・・・・・そう。そこに座ってて。」


俺は混乱した頭でトイレまで行く。


どうして、教えたんだ。


絶対に言わないでって言ってたのに。


よりによって美紅さんが言ったとか。


リクが言ったんじゃないの?


考えれば考えるほど混乱してくる。


トイレから戻ってベッドに座った。


何から言えばいいか分かんなかった。


すると、先に雫が口を開いた。


「びっくりした。・・・・・・最近、全然お店にこないから。連絡しても返ってこないし。それで、美紅さんに聞いたの。そしたら、リクさんに聞いてみなって。」



やっぱりリクか。


「それで、昨日、音楽スタジオに行った。どうしても教えて欲しいって言ったら病院って言われて。・・・・・・・・それで、来た。」



「・・・・・・・・・・・そっか。」

< 95 / 183 >

この作品をシェア

pagetop