羽をくれた君へ。
俺は嘘をついた。


治らない。


絶対。


でもこれ以上、雫のそんな顔を見たくない。


だから、嘘をついたことを許して欲しい。


「・・・・・・・本当?本当にすぐ治るの?」


「うん。そうだって言ってるじゃん!!」


「・・・・・わかった。でも、無理しないで。魁音顔色悪いから。」


「うん。分かった。・・・・・・それよりさ、俺雫に言いたいことあるんだけど。」


「何?」


「・・・・俺が入院している間に、家族との問題解決してきてよ。」



俺がずっと言いたかったこと。


雫には家族を大切にして欲しい。


どんなに母さんの態度が嫌でも、家族は家族なんだ。



だから、ちゃんとブチ切れてもいいからちゃんと話した方がいいと思う。



「無理だよ。そんなの。あんな親。」


「うん。そう思うのはよく分かる。でも、夢叶えるにはさ、親のこと抱えたままいい歌なんて歌えないんじゃない?」

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