願いを満たせ

死にたい

その次の日だった。
鏡を見た僕は別人のようになっていた。
真っ黒だった目は白く濁っていた。
そして、耳が跡形もなく消えていた。
何が起こったのか,,,。
すぐには理解できなかった。

そうか。僕があの子を傷つけたから。
僕は償いたいと願ったのか。
あの子と同じようになって、見えないし聞こえない日々をおくることで償おうと思ったのか,,,。



僕がそう願ったなら、今僕はこのすがたを見れないはずだ。
外の小鳥が囀ずる声も聞こえる。

失明して、耳がないのに僕はなぜ見える?なぜ聞こえる?

あの子は死にかけたのに



なぜ僕は生きてる?
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