キミとひみつの恋をして
♡きみに片想い
secret.1
『まだ駅にいる?』
帰宅ラッシュで人のごった返す駅のホーム。
会社帰りのサラリーマンやOLさん、私と同じ学校帰りの学生たちに溶け込む中、届いたLINEのメッセージに、私は心を弾ませながら返信する。
『いるよ』
短い文字の後ろに笑顔の絵文字をつけて送信ボタンを押せば、私のメッセージの横にはすぐに既読マークが現れた。
その数秒後、また彼からのメッセージが送られてくる。
『みつけた!』
それを見て私はスマホに落としていた視線を上げ、周囲を見渡した。
けれど、私が彼の姿を認めるよりも早く──
「桃原(ももはら)」
彼が、私に声をかけてくれて。
「二ノ宮(にのみや)」
私の隣に、メッセージをくれた本人が微笑みを携えて立った。
彼の笑みに、私も笑顔を返す。
つられたわけじゃない。
二ノ宮が一緒にいることが嬉しくて、自然と笑んでしまうのだ。
彼は……
「1人だろ? 一緒に帰ろう」
「うん」
私の、好きな人だから。
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