キミとひみつの恋をして
「結城……サプライズとかやめてくれない?」
「いや、むしろこっちがサプライズされてんだけど。あー、やばくね? とりあえずいなかったことにするか……?」
腕を組んで二ノ宮に相談する結城。
その2人の傍らに立つ私は「わ、私帰ろうか?」と、焦りながら提案した。
すると、結城は「うーん」と唸って。
「や、そんな時間ないだろうし、むしろ出て数歩で鉢合わせたらそれこそやましく思われるかもしんねーじゃん!?」
恐ろしいと言わんばかりの顔で口にした。
直後、二ノ宮が1人頷く。
「わかった、結城、お前が誘ったことにすればセーフだろ」
「おお! それで行こう!」
名案だと手を叩いた結城の肩に二ノ宮が手を置いた。
「よし、結城はちょっとここで待ってて」
「任せろ。俺がここで食い止める!」
「なんのゲームだよ。しかもフラグ立ってんじゃないのそれ」
「やっべえ、俺死亡」
調子よく会話に乗る結城を玄関に残し、二ノ宮は私を二階へ連れて行く。
「桃原、念の為泊まり用の荷物隠させて」
「わ、わかった」
鞄、2つに分けて正解だった。
私は二ノ宮と急いで部屋の中に戻ると、鞄をクローゼットへ押し込んだ──。