キミとひみつの恋をして
今日の夕食は簡単に素麺だ。
というか、二ノ宮は素麺が好きらしく、夏は素麺ばかり食べてるんだとか。
麺つゆは二種類用意して、薬味も使いつつ2人で素麺を啜る。
2人前を食べ終わったところで、二ノ宮のスマホが着信を告げた。
どうやら里帰りしているご家族からの電話のようだ。
問題はないか聞かれたらしく、彼はそつなく答えて通話を切った。
それから、食器を片付け終わったタイミングで。
「先、お風呂入っていいよ」
二ノ宮に勧められたのは、いよいよお泊まり本番といえる入浴タイム。
一応説明するから着替え持ってきなよと促され、私は緊張を隠しながら着替えを持ってお風呂に向かった。
シャワーの使い方と、シャンプーやコンディショナーなど一通り教えてもらい、二ノ宮が脱衣所からいなくなったところでしゃがみ込む。
大丈夫、大丈夫と何度心の中で唱えてみても、ドキドキはおさまらない。
動けば紛れると、服を脱いで、白い壁に囲まれた爽やかな雰囲気の浴室で体を洗い、湯船に浸かった。
心地のいい温度のお湯を手でパシャパシャと叩いてから、緊張をほぐそうと息を深く吐き出す。
吸って、吐いて。
吸って、吐いて。
いつかは経験することで、それが今日になるかもしれないだけだと、自分に言い聞かせる。
本当のところ、まだその覚悟はできてないし夢見心地のような感覚だけれど、いつまでも入っているわけにはいかないと、私は立ち上がった。
為せば成る。
二ノ宮となら、後悔は
しない。