キミとひみつの恋をして
確かに大きくはないけど!
だけどわざわざ何カップかなんて暴露するのも嫌なので、私は軽く䋝田先輩を睨んだ。
「䋝田先輩だけは丁重にお断りします!」
最後に口をいーっとして反撃すれば、部長がクスクスと笑う。
しまった。
子供っぽかったかなと、少し恥ずかしくなりながらも二ノ宮に視線を向ければ、彼は口元を手の甲で隠すようにしながら肩を揺らして笑っている。
䋝田先輩、許すまじ。
そう密かに怒りの炎を燃やしていると、䋝田先輩は二ノ宮に「で?」と質問の返事を促した。
いつの間にか私の隣を歩く二ノ宮は、少し考えた素振りを見せる。
「んー、俺は好きな子なら大きさは気にしないけど」
模範解答といえばそれまでだけど、優しさ溢れる二ノ宮の答えに安堵する私。
部内恋愛禁止なのはわかってる。
彼の気持ちが私に向きにくいことも重々承知だ。
でも、それでも。
自分が、彼の好みから外れていないことが嬉しい。