キミとひみつの恋をして
「お願いします、部長。チャンスをください」
耳元で、二ノ宮の真っ直ぐな声と想いが聴こえて、私もしっかりと部長の瞳を見つめた。
すると……
「はぁ……まったく、仕方ないなぁ……」
部長の肩から力が抜けて、ずっと厳しさを保っていた口元に僅かな笑みが浮かんだ。
「この件は、俺と圭介の中で止めておくよ」
「ありがとうございます!」
私たちは声を重ねて再度頭を下げると、部長は緩みかけた表情を厳しいものに戻す。
「ただし、何かあった場合は……いいね?」
それは、別れを指していて。
だけど、チャンスをもらっている私たちは否定することなく頷いて、約束したのだった。