キミとひみつの恋をして

secret.16



一条部長に私たちの交際がバレてから2週間が経った。

あれから、私と二ノ宮には何事もなく平和な時間が流れている。

もちろん気をつけるところは今までと同じく気をつけて過ごしていた。

それと、変わらない状況なのは三輪君と二ノ宮の関係もだ。

というより、そちらに関しては前より悪化しているかもしれない。

以前は会話もしていたけれど、最近は明らかに三輪君が二ノ宮を避けていて、口もきいてない様子だ。

監督も、三輪君がいつ爆発してもおかしくないと見ているのか、先日部内で行われた紅白試合でも、二ノ宮と同じコートには立たせないようにしていた。

再来月にはウインターカップの本選も始まり、部員たちのモチベーションも、三輪君を除けばいい具合に保たれていて気合十分といった様子だ。

このまま何事もなく時が流れて、引退となれば……と考えてみたけれど、二ノ宮はスカウトの条件に来年のウインターカップの成績も含まれている。

故に、引退まではあと1年以上あるのだ。

私もそれに合わせて引退するなら、秘密を抱えながら付き合うのもそれと同じだけかかる。

二ノ宮と付き合い始めて4カ月が過ぎ、部長と副部長にバレた。

そう考えると、あと1年、他の部員たちに隠し通せるのか不安になる。

でも、やらなければならない。

二ノ宮と付き合うと決めた時に、一度覚悟したことなのだ。

2人にバレただけで、何も変わらない。

むしろチャンスをもらえたのだから、前向き行こう。


< 144 / 240 >

この作品をシェア

pagetop