キミとひみつの恋をして


──翌日。

朝練に出る為に教室でジャージに着替えて体育館に入る。


「おはようございます」


いつものように挨拶すると、なぜか部員みんながよそよそしい感じで頭を下げたりして。

それはまるで、何かを探るような……嫌な雰囲気。

もしかして、私が何かマネージャーの仕事でみんなの気に触ることをしたのかと一瞬不安になったけど……


「はよーっス」


私の後からやって来た二ノ宮の声にも、みんなは私の時と同様に、微妙な面持ちで反応した。

二ノ宮はその様子に眉をしかめる。


「なに?」


首を傾げ、怪訝そうに私と視線を合わせたその時。


「なあ、二ノ宮と桃原って、付き合ってんのかよ?」


先輩の1人に尋ねられ、私たちは固まった。


どうして。

どうして。


その言葉だけがぐるぐると私の中を駆け巡る。


「あ、の」


何か言わなければと、私が声を出しかけた丁度そのタイミングで、一条部長と䋝田先輩が、欠伸をする結城を連れて体育館に入って来た。

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