キミとひみつの恋をして
「桃原は自由行動の時、誰と見て回るとかもう決めた?」
できることなら二ノ宮と、とは言えるわけもなく。
「特に約束はしてないけど、多分柑菜とかな」
現実的にあり得ることを口にした。
でも、柑菜と回れるのも楽しいんだけどね。
「柑菜……ああ、藤崎(ふじさき)さんね。確か、茶道部の子だっけ」
「知ってるの?」
「話したことはないけど、桃原が仲良くしてるの見てるからなんとなくね」
「そ、そう……」
もしかして……と、恋する気持ちが生み出すよくない予想が脳内に展開される。
そんな展開あって欲しくはない。
だけど、もしかして二ノ宮は……
柑菜のことが好きなのでは?
いや、なんか曖昧な答え方だったから、もしかしたらまだ気になる程度なのかも。
なんて、モヤモヤした気持ちを抱え始めた直後。
「言っておくけど、別に興味があるとかじゃないから」
「え?」
まるで私の考えてることがわかったのかのように言われて私は思わず胸を押さえた。