キミとひみつの恋をして
秘密にして付き合う上で、疑われないようにと気をつけていた内容。
でも多分、部長の言うレベルは"更に"なのだろう。
本当に、必要最低限。
雑談さえも許されないようなレベル。
休日くらいは許してもらえるのだろうかと心配していれば、二ノ宮の体が私の方へ向けられた。
「ごめんな、桃原」
「……どうしたの急に」
彼の謝罪に戸惑って首を傾けると、二ノ宮は私にあった視線を横に外し唇を小さく動かす。
「あの時、調子に乗ってキスしたからバレた」
眉間にシワを作り後悔を声に乗せて。
そんな彼に、私は頭を振った。
刹那、バラした人の顔が脳裏をよぎる。
「三輪君……たまたまいたのかな?」
あの場にたまたまいて、たまたま写真を撮ったのか。
疑いたくはないけれど、三輪君にとって都合のいい展開となっている今、どうしても考えてしまうのだ。
二ノ宮を陥れるチャンスを伺っていたのではと。