キミとひみつの恋をして


秘密にして付き合う上で、疑われないようにと気をつけていた内容。

でも多分、部長の言うレベルは"更に"なのだろう。

本当に、必要最低限。

雑談さえも許されないようなレベル。

休日くらいは許してもらえるのだろうかと心配していれば、二ノ宮の体が私の方へ向けられた。


「ごめんな、桃原」

「……どうしたの急に」


彼の謝罪に戸惑って首を傾けると、二ノ宮は私にあった視線を横に外し唇を小さく動かす。


「あの時、調子に乗ってキスしたからバレた」


眉間にシワを作り後悔を声に乗せて。

そんな彼に、私は頭を振った。

刹那、バラした人の顔が脳裏をよぎる。


「三輪君……たまたまいたのかな?」


あの場にたまたまいて、たまたま写真を撮ったのか。

疑いたくはないけれど、三輪君にとって都合のいい展開となっている今、どうしても考えてしまうのだ。

二ノ宮を陥れるチャンスを伺っていたのではと。


< 162 / 240 >

この作品をシェア

pagetop