キミとひみつの恋をして
──けれど、私と二ノ宮に対する部員の態度が、あからさまなまでにそっけなかったり、ぎこちなくなっていって。
それは日を追うごとに顕著になっている。
特に、私に突っかかってきた後輩の2人、神田(かんだ)君と馬場(ばば)君。
この2人は私に反撃され二ノ宮に諌められたのを根に持っているようで、二ノ宮にはパスをわざと回さなかったり、私には片付けを多く任せてきたりと、地味な嫌がらせをしてきていた。
そんな時、䋝田先輩や結城がさりげなくフォローを入れてくれるのだけど、二ノ宮が敵意を向けられてしまった時、私も何か声をかけたい衝動に駆られる。
けれど、以前はさり気なくできた声掛けも、今は憚られる状態。
何せ、例えサポートする際の会話でも、私と二ノ宮が少しでも声を交わせば、数人の視線を感じるのだ。
探るようなそれは居心地が悪くなるもので。
それでも、めげずにバスケと向き合っている二ノ宮を見ていると、弱音なんて吐いてられないと思わされる。
でも、ね。
倉庫で吐露した二ノ宮の心の負担を鑑みれば、多分……どうにか気持ちを奮い立たせてバスケに打ち込むことが精一杯なんだと思う。
ボールを追う姿が以前より疲れているのは明白で。
手触りのいい真っ白なタオルを畳みながら、この息苦しい環境が少しでも良くなるように何かできることはないかと考える。
けれど、妙案は思いつかないまま、できたことといえば、今日もどうにか部活の時間を終えたことだけだった。