キミとひみつの恋をして

「……ねえ、僕がやったと思ってる？」


二ノ宮のバッシュのことを知っているのはなぜか。

彼が犯人だからか。

過去の言動から見れば、限りなく黒に思えるけれど。


「わからない。でも、これ以上はもうやめて。私が辞めるし別れるからこれ以上二ノ宮を苦しめるのはやめて」


決めつけるには決定的な証拠はなく。

私は、願うことだけに留めた。


「やめろって……それ、バッシュのことも入ってる？」


問われて、私は首を縦にも横にも振らず、ただ三輪を真っ直ぐに見つめた。

すると、彼は鼻で笑ってから私を睨む。


「あっそ。簡単に信じるくらいに、アンタの中で僕は悪いやつなんだ。あー。むかつく」


憤り興奮し始めたのか、段々と声が大きくなって。

私の体がその声に比例するように緊張で固くなっていく。


「辞める？ アンタマネージャー辞めるの？ それ、僕には意味ないんだけど。二ノ宮先輩が辞めないと意味がない」

「か、感情的にならないで」


どうにか冷静さを取り戻してほしくて、なるべく穏やかな口調で窘めたけれど、効果はなく、それどころか三輪君は更に不機嫌さを深めた。