キミとひみつの恋をして


私の懇願に三輪君はクスクスと小さく体を揺らす。


「やめてあげないよ」

「こん、なことしても、三輪くんが、傷つくだけだよ」


喉をつかえさせながらも私を見下ろす彼に伝えても、その黒く染まってしまたった心には届かない。


「僕の心配? 相変わらずそうやっていいマネージャーぶって笑えるね」


そうして、私の耳元に唇を寄せると……


「僕の心配じゃなくて、二ノ宮先輩の為だろ」


否定しにくいことを、囁いた。

三輪君の心配をしていないわけじゃない。

でも、なによりも二ノ宮の為にと動いている私には、首を横に振ることはできなかった。

否定しなかったのが気に入らなかったのか、三輪君は舌打ちをすると、私の首筋に吸い付く。

噛みつくような唇と、乱暴をされてしまう恐怖に一気に涙が溢れた。


「やめっ……や! おねが……っ」


混乱して。

声が掠れて。

もがく体が私の代わりに悲鳴をあげるかの如く震える。

こんなことしたって、何もいい結果は得られないのに。

三輪君も。

二ノ宮も。

私も。


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