キミとひみつの恋をして
もちろん、作戦で二ノ宮を試合に出さないと監督が判断すれば、三輪君の出番もあるだろう。
それこそ、スタメンからということも。
でも、多分三輪君は気にしてるのだ。
先日の練習試合に、自分が出させてもらえなかったことを。
「この前の練習試合だって、二ノ宮先輩にはもっと積極さが必要だった」
猫のように少し目尻の上がった目で追うのは、相変わらず二ノ宮の姿。
積極さの必要性は、本人もちゃんと反省してたことだ。
けれど、それを私の口から伝えるのは違う気がして。
「次の試合には出れるといいね」
それだけ答えて微笑めば、三輪君はじとりと目を細めた。
「……それ、本当にそう思ってる?」
「え?」
「マネージャーって、二ノ宮先輩と仲良いいじゃん」
突然、二ノ宮との関係を口にされて鼓動が高鳴る。
「そ、そう見える?」
尋ねれば、三輪君は見えると頷いた。
そう、か。
私と二ノ宮って仲良く見えるんだ。