キミとひみつの恋をして
「三輪は、このまま黙ってるのはフェアじゃないからって言ってたけど……多分、苦しかったんじゃないかな」
二ノ宮に背中を押されて、ようやく一歩踏み出せたからこそ、自分のしたことの重さに耐えれなくなって。
吐き出すことで、楽になりたかったのだろう。
一条部長はそう話し、瞳を伏せた。
2人しかいない体育館で、部長は再び静かに声にする。
「それと、バッシュの犯人が別にいることも、三輪が教えてくれた」
「えっ、誰ですか?」
確かに、三輪君は自分だとは口にしていなかった。
でも、意味ありげな態度や口振りばかりで、彼なのではと疑っていた自分がいたのだけど、まさか別の人だったとは。
これには驚きを隠せず、目を大きくして部長を見つめる。
すると、出てきた名前は。
「神田と馬場の2人だよ」
あの、態度の悪い後輩2人のもの。
「彼らは名前が出てすぐ辞めると口にしたから、多分週が明けたら退部になると思う」
呆れたように溜め息を吐いた部長。
私は、眉を寄せて俯いた。
「あの2人だったんですね……」