キミとひみつの恋をして
彼らの二ノ宮に対する態度は良くないものばかりだったし、バスケに対しても真面目とは言い難いものは見て取れた。
言われてみれば、バッシュを傷つけることも厭わないだろう。
それに引き換え、三輪君はバスケに対する情熱は捻くれてしまうほどその胸にある。
思い返せば二ノ宮を邪魔に思って辛辣な態度や言葉を向けてはいたけれど、バスケに関連するものを傷つけたり、粗末にしたりはしなかった。
だとすれば、私の三輪君に対する言動は、彼を傷つけたはずだ。
だから、彼はあんなにキレて、私に乱暴しようとしてしまったのかもしれない。
三輪君だけじゃなく、私にも非があったのだ。
「私、謝らなくちゃ」
三輪君を疑ってしまったことを、と続けると、一条部長は目を柔らかく細める。
「相変わらず、君は優しいね。そんな君の想いと願いも伝えさせてもらったよ」
「……別れて、マネージャーを辞める代わりにという話ですか?」
「そう。勝手にごめんね」
謝られて、私は首をゆるゆると横に振った。