キミとひみつの恋をして
彼の言葉に何て答えたらいいのかわからず、私も苦笑いを浮かべてしまう。
来てくれないかもというその考えは、私と同じ予想からだろうか。
私が、昨日のことを後悔しているかも、と。
それなら心配無用だ。
後悔なんて微塵もしてない。
あるのはただ、不安だけだ。
彼の心の何を知り、私たちがどう変わってしまうのか。
その不安だけ。
「とりあえず、ここから裏庭に出れるから、そっちに行こうか」
二ノ宮に誘われて、私は頷くと先を歩く彼に着いて行く。
藍色の夜空には、いくつか星が散らばり瞬いていて。
低木に囲まれた裏庭の芝生に、私たちは人1人分の間を空けて腰を下ろした。
二ノ宮はあぐらをかき、私は膝を抱えて星空を眺める。
夏の始まりを予感させる、ジーと鳴く虫の声を聞きながら、どう昨日の話を切り出そうかと悩んでいたら。
「この辺は都会だから、星はあんまり見えないか」
二ノ宮が、夜空を仰ぎなら声にした。