キミとひみつの恋をして


……それは、私も思っていたことだ。

三輪君のプレイは攻撃的で、協調性に欠ける。

パスも回さないで、自分が流れを作ろうと意気込み過ぎているというか……

練習試合で見た三輪君の姿を思い返していると、一条部長は困ったように微笑む。


「ただ、今回に関しては二ノ宮も悪いからね。ホント、珍しくミスを連発してたよ」


……そうだったんだ……

二ノ宮、体調でも悪いんだろうか。

他の部員の迷惑にならないようにと、二ノ宮が三輪君に外に出ようと声をかけている。

けれど、三輪君は「みんなの前でしっかり謝んなよ」と動かない。

大事になりそうな流れに、䋝田先輩が立ち上がった。


「ま、そろそろ入ってやるか。雰囲気悪いとインハイにも影響出るだろ」


部長が溜め息をひとつ吐いて、そうだねと組んでいた腕を解くと「そこまでにしようか」と、2人の仲裁に向かったのだった。



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