キミとひみつの恋をして
──結局、二ノ宮と三輪君は和解することは叶わず、2人の溝は深くなってしまったようで、昼食後の練習試合でも、三輪君は二ノ宮に対して敵対心を燃やしていた。
そのせいか、三輪君はいつもより輪をかけてワンマンプレーに走り、早々に監督から交代の声がかかる。
二ノ宮といえば、午前中のミスを反省したのか、かなり集中してボールを回していた。
自分は下げられたのに、なぜ二ノ宮はまだコートにいるのか。
多分、そんな風に考えているんだろう。
三輪君は終始イライラした様子で二ノ宮を睨んでいて、以前よりも悪くなった状況に、私は何事もなければいいなと祈るばかりだ。
そして、練習試合が終わり、休憩の後に部員はまた走って宿舎まで戻るように監督から指示が入る。
私は、洗濯をしないとならない為、監督と一緒にバスに乗って一足先に宿舎に戻った。
昼の青に、オレンジ色が溶け込む夕焼け混じりの空の下。
宿舎の1階に設置されている洗濯室で、爽やかな洗剤の香りを感じながら、物干し竿にみんなの使ったタオルをかけていく。
風もほどよくあるし、これなら明日には乾くだろうと、最後の1枚を干したところで、洗濯室に二ノ宮が入ってきた。