キミとひみつの恋をして
そして……夜。
入浴も済ませ、Tシャツに短パンという、あとは寝るだけの状態でくつろいでいたら。
──コンコン、と部屋にノックの音が響いた。
三輪君だろうと思い、私は扉を開ける。
予想どおり、そこには白いTシャツにダークグリーンのスウェットパンツを履いた三輪君が立っていて。
「お邪魔しまーす」
彼はニコニコしながら言うと、強引に部屋に入ってしまった。
「ちょ、ちょっと。ここは立ち入り──」
「禁止だろうけど、別にやましいことしにきたわけじゃないからいいでしょ?」
当然のように言ってのけて、三輪君は座布団の上に胡座をかく。
ま、まあ、外で話して聞かれるのが嫌なのかもしれないし、なによりそれだけ深刻な話なのだろう。
もし、二ノ宮との喧嘩に関する話なら心配だし、チームワークの為にも聞かなければ。
しっかりと聞く心持ちで、木製のテーブルを挟み、三輪君と向かい合うように座る。
「あのさ」
聞きたいんだけど、と話し始めた内容は、私の予想の斜め上を行く内容だった。
むしろ相談なのだろうか、これは。
「へー。じゃあ、インターハイで準優勝してんだね」
「うん」
三輪君はなぜか、私の兄の話を聞いてくるのだ。
当時の秋明は強い選手が揃ってた、とか。
バスケ絡みではあるけど、相談ではなくて。
これから本題に入るのかもと思いながら、とりあえず聞かれたことを話していると……
「二ノ宮先輩ってさ、アンタのこと好きなのかな」
いきなり、そんなことを口にする。