キミとひみつの恋をして


私の心臓が大きく跳ねて。

動揺を誤魔化すように、私は笑みを浮かべた。


「突然なに?」

「だってあの人、なんだかんだ桃原先輩のこと気にしてるじゃん? 何かあれば助けたり庇ったり」

「それは、二ノ宮が優しいからだよ」


当時、本当にそう思っていた。

だからそう答えたのだけど、三輪君はニヤリと笑う。

その笑い方は、昼間に体育館で見た不敵なものと同じで。


「聞いてみようか。本人に」

「え?」


何を言ってるのかと、驚いているうちに、三輪君はスウェットのポケットからスマホを取り出してメッセージを打つ。

ほ、本当に二ノ宮に聞いたんだろうか。

きっと誤魔化したりとぼけたりした内容で返信してくるとは思うけど……心配なのは、そこじゃない。


「さあ、どうでるかなー」


明らかに楽しんでいる彼の様子に、気づいたのだ。

最初から、二ノ宮をからかって困らせるつもりで私の事を利用してるんだと。


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