キミとひみつの恋をして


「……三輪君は、二ノ宮のこと嫌いなの?」


好きな人が良く思われてないのは悲しい。

しかも、それが部の後輩であることはつらい。

ライバル視をするのはいいけれど、悪意は向けないでほしいと願いつつ、私は三輪君の返事を待った。

彼は、私の質問に答える気がないのか、ひたすらスマホの画面に視線を落としている。

その時だ。

部屋に再びノックの音がして、三輪君が顔を上げる。

意地悪そうに微笑んで「二ノ宮先輩だと思うよ」と彼は言った。


「なんで?」

「これ、送ったから」


そう言って私にスマホの画面を見せる。

そこには、二ノ宮宛てのメッセージ。


【桃原先輩の部屋でお話ししてるんだけど、もらってもいい?】


「な!?」


意味深すぎる内容に、私は言葉を失う。

こんなの見たら、いくらなんでも二ノ宮も冷静ではいられないかもしれない。

どうしたらと、うろたえている私に構うことなく、三輪君は勝手に扉を開けてしまった。

険悪な空気の今、鉢合わせたら大変なことになるのではと、なんとかフォローをすべく追いかける。

けれど、扉を開けた先にいたのは二ノ宮ではなく䋝田先輩。


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