キミとひみつの恋をして
「お前、何やってんだよ」
眉間にしわを寄せる先輩に、三輪君も眉根にしわを作る。
「……二ノ宮先輩は?」
「マネージャーの部屋にいるみたいだから、様子見てやってくれって言われたんだよ」
「なんだ。殴り込みにくるかと思ったのに」
つまんない、と唇を尖らせた三輪君を、䋝田先輩は軽く睨んだ。
「嫌がらせとかふざけてる時間あんなら来い。練習付き合え」
「ちょっと! そんな引っ張んなくても行くし!」
嫌がる三輪君の腕を掴んで、強引に連れ出す䋝田先輩。
私は先輩に心の中で感謝して、扉を閉めた。
二ノ宮……凄いなぁ。
三輪君のメッセージを読んで、冷静に受け止めて考えたんだろう。
どうするべきなのかを。
私なら不安になって自分でアクション起こしてしまう気がするな、なんて想像していたら、テーブルの上に置いていた自分のスマホが振動を始めた。
手に取り確認すると、二ノ宮からの着信で、私は急いで応答ボタンをスライドさせる。
「もしもし?」
『桃原、今話せる?』
二ノ宮の声はいつも通りで、特に苛立ってる様子は感じられない。