キミとひみつの恋をして


「見たい! でも、どこで?」

『桃原の部屋でいい? 外だと見つかりそうだし、鍵かけとけば誰か来ても外出してると思うだろうから』


二ノ宮の提案に、私は確かにと頷く。

部屋は見つかったら大変なのではと一瞬考えたけど、鍵をかけておけば見つかることはないはずだ。

外で見るよりも格段に見つかるリスクは低いだろう。


「そうだね。2人で見れるなんて、嬉しい」


気持ちを素直に伝えると、二ノ宮は嬉しそうに「楽しみだな」と声にした。

また明日。

おやすみなさい、と。

挨拶し、通話を切って窓の外に視線をやれば、柔らかな光を放つ月がこちらを見下ろしていて。

明日もいい天気になりますようにと願いながら、畳の上にひかれた布団へとその身を潜らせた。






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