あの空を越えて逢いにいく。
マジかよ‥‥今日もやっぱりいんのか。



目が覚めたのに、まるで悪夢だ。








「重いし。どけよ」



俺は黒猫を払いのけると、
ベッドから起き上がる。



黒猫は鮮やかな身のこなしで床に着地すると
下から俺を見上げてくる。






「気持ちよさそうに寝てたね」

「あ?」

「昨日の女の子のお陰かな」

「・・・・」

「あの子、僕が連れてきたんだ」








ああ、うっせー。

この声が、幻聴なら良いのに。




制服のネクタイを結びながら黒猫を睨むと
まだ、ジッと俺を見上げている。






「あの女の子大切にした方が良いよ」

「お前にカンケーねぇ」







俺はぶっきらぼうにカバンをつかむと
バタンッ!と部屋を出た。




< 16 / 123 >

この作品をシェア

pagetop