あの空を越えて逢いにいく。
逢坂くんに勉強を
教えに来たはずだったのに‥‥





なぜか私は今、海に来ている。







ザザーーーン




「あー 海ー」



逢坂くんは砂浜に腰を下ろすと
ゴロンと気持ち良さそうに寝そべった。







「あの‥‥なぜ海ですか?」




海のシーズンでもない。
空だってあまり良い天気でもない。



放課後サボると言えば、
ゲームセンターとかじゃないのかな。




それにサボるなら
私なんて連れて歩かなくても‥‥






「杏南もこっち座れば?」


「は、はい‥」




私はおずおずと
寝そべった逢坂くんの隣に座る。


いつの間にか
杏南って呼ばれてるし‥‥


だけど逢坂くんはそんな事は
気にしていないみたい。




「俺、海っていつもすぐ気分悪くなんだよ。だからずっと来れなくて」



逢坂くんは仰向けのまま話す。




「き、今日は平気なんですか?」

「どうかな?ま、杏南いるし平気だろ」





はぁ、そうですか。

全然意味がわかりませんけど‥‥


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