あの空を越えて逢いにいく。
「ぎゃ!いってぇぇ!!」
「きゃっ、ごごごめんなさい!」
体育館でバドミントンを始めた俺たちだったが、さっきから部員くんの悲鳴ばかりこだましている。
まず俺たちは
グーパーでペア決めした。
杏南のペアは、桃汰の部活メンバーになる。
対戦相手は俺と桃汰だが‥‥
「杏南ちゃんシャトルよく見てー!」
「は、はいっ!」
「ほらきたよ!」
「はいぃっ!!」
ブンッと勢いよく振り回されたラケットが
ペアの男の背中にヒットする。
ベチーーン!
「わっ!また!!」
桃汰は見ていられないとばかりに
顔を手で覆う。
「すみませんすみません」
杏南は半泣きでペコペコ相手に謝ってる。
なんつーか‥‥杏南がこんなに運動音痴だとは。
ペアの奴は全然怒ってねーけどかなり気の毒。
「わり、ちょっとペア交代」
俺は相手の奴と入れ替わり
杏南とペアを組むことにした。