あの空を越えて逢いにいく。
「お‥逢坂くん‥」

「お前ラケット振るとき目ぇつぶってる」




俺は自分の邪魔な前髪を止めていたゴムを外すと、杏南の長い前髪をちょんまげにしてやる。


これでちょっとは視界も広がったか?




「あと振るタイミングちょっと早いな」




鬱陶しかった前髪がなくなり、
初めて杏南の白いおでこが顔をだす。


分厚いメガネは曇っていて
表情がいまいち分かりにくいが


杏南の顔はゆで卵のように形が良かった。






「俺の声もしっかり聞いとけ」

「は、はい!」





こうして

俺と杏南 vs 桃汰と部活メン
の試合がはじまった。







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