あの空を越えて逢いにいく。
自転車が到着したのは
なぜかシンプルでオシャレなヘアサロン。




「ここ、俺の知り合いの店な」

「え?」




逢坂くんは自転車を止めると
ヘアサロンの中にスタスタ入っていく。

ちょ、ちょっと待ってくださいー(汗)



「逢坂くん、いらっしゃい!今日はありがとう」




私もヘアサロンの中に入ると
逢坂くんと30代くらいのお兄さんが話している。




「ヒロさんこの子が話してた子。杏南、この人はここのオーナーのヒロさん」


「あ‥‥は、初めまして白雪杏南です」




逢坂くんに紹介されるも
状況がいまいち分からずアタフタしてしまう。


一方オーナーのヒロさんも、私も見て少し驚いているように見える。





「えっと逢坂くん、この子が?」

「はい」




オーナーさんは私と逢坂くんを交互に見てから
改めて私に笑顔を向けた。






「はじめまして杏南さん。今日はカットモデルありがとうございます」




カットモデル??


ポカンとしていると、
逢坂くんは説明してくれる。




「ヒロさん、腕いいから安心して」

「え、いやあの‥モデルって」

「この店の宣伝用な。モデルの代わりにカット料金無料になるから」

「!?」





いやいやいや‥‥私がモデル?!




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