あの空を越えて逢いにいく。











「長い時間お疲れさま!」



ポンと肩に手を置かれ、ハッと夢から目覚める。




「あ、すすみません」



そうだ私、寝てしまってたんだ。

私はあわててヨダレを拭く。



だって髪を切るのって長くても30分くらいかと思っていたのに‥‥薬剤を塗られたりシャンプーも何回もしたり


やっとハサミが出てきた時には3時間が経過していて、そこから、ドライヤーとか肩もみとか‥‥


あ~気持ちいいなぁって思って‥‥

そこからの記憶がない。









「どうかな?すごく綺麗になったよ」




オーナーさんの言葉に
目の前の大きな鏡を見る。





「え?これ私の髪の毛ですか?!」




それはもう
魔法でも使ったかのようだった。


あんなに真っ黒で
毛量の多い野暮ったい髪だったのに


清純派アイドルのように毛先が整い
艶つやでサラサラの
綺麗な髪になっていた。


う、うそー‥‥

私は思わずメガネをかけ直す。









< 71 / 123 >

この作品をシェア

pagetop