あの空を越えて逢いにいく。
「長い時間お疲れさま!」
ポンと肩に手を置かれ、ハッと夢から目覚める。
「あ、すすみません」
そうだ私、寝てしまってたんだ。
私はあわててヨダレを拭く。
だって髪を切るのって長くても30分くらいかと思っていたのに‥‥薬剤を塗られたりシャンプーも何回もしたり
やっとハサミが出てきた時には3時間が経過していて、そこから、ドライヤーとか肩もみとか‥‥
あ~気持ちいいなぁって思って‥‥
そこからの記憶がない。
「どうかな?すごく綺麗になったよ」
オーナーさんの言葉に
目の前の大きな鏡を見る。
「え?これ私の髪の毛ですか?!」
それはもう
魔法でも使ったかのようだった。
あんなに真っ黒で
毛量の多い野暮ったい髪だったのに
清純派アイドルのように毛先が整い
艶つやでサラサラの
綺麗な髪になっていた。
う、うそー‥‥
私は思わずメガネをかけ直す。