あの空を越えて逢いにいく。
逢坂くんは私の隣にあるイスに座る。







「ヒロさんも杏南のことすげぇ褒めてたよ」

「ほ本当?でも私うまく笑えなくて」






このままうまく笑えなくて
撮影が終わらなかったらどうしよう。



紹介してくれた逢坂くんの
メンツにも関わってしまうんだろうか。








「そういえば」


逢坂くんは私の不安をよそに
何かを思い出したのかスマホを触りだす。





「これ桃汰たちが撮ってたらしい」

「?」






ん、とスマホ画面を私に向けてくれたので
私は覗き込む。



「あ、これ‥‥」




そこには昨日一緒にスポーツをした時の
私たちの写真があった。



桃汰くんや部員さん達の写真
逢坂くんの写真

それから私の写真もあった。






「い、いつの間にこんなに撮ってくれてたんだろ‥全然気付かなかったよ」


「お前それどころじゃなかったしな」


「う‥‥そうですね」





私は昨日のバドミントンでの
自分の失態を思い出した。


逢坂くんも思い出したのか
くくっと笑う。




 



「てか改めて写真で見るとお前相当ヤバいな」





逢坂くんは試合終わりの写真を
拡大して見せてくる。



そこには試合後で汗で髪がボサボサの
メガネは真っ白に曇っている私が写っていた。


こ、これは確かに‥‥





「私ってこんなに酷かったんですね‥‥」

「くくく、見ろよこの写真もヤバすぎ」





今度は口が半開きで変なポーズの瞬間の私。


逢坂くんは珍しくツボに入ったのか
笑いが止まらないらしい。




あんまり笑われて
私はだんだん恥ずかしくなってくる。





ってか桃汰さん‥‥

こんな酷い写真
自己判断で削除してほしかった!///











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