あの空を越えて逢いにいく。
その後






なんとか撮影が終了して
私と逢坂くんはヘアサロンを後にする。




撮影に使ったワンピースは
オーナーさんのご好意で貰えることになった。



というか、
私の元の服装はあまりにも酷いらしく


“出かけるならこのままワンピース着てきな”
というオーナーさんからの同情(?)なのかも。





「腹減ったし何か食お。お前も疲れただろ?」

「そ、そうですね」




逢坂くんに自転車の後ろに乗るよう催促され
また遠慮がちにまたがる。


二人乗り‥‥

何度やっても、多分慣れることはないな。



そこから自転車で20分ほど走り、
ショッピングモール内の
ファストフード店にやってきた。



「俺ビックリマックにしよ」

「えっと、私どうしよう?こういうお店初めて‥‥」

「は?お前マジお嬢さんかよ(笑)」




お互いにポテトやバーガーを買い
狭い机に向かい合わせに座ると



「ん」


逢坂くんは握手でもするように手を指し出してきた。





「え?なんですか?」

「手つなご」

「え?あ、はい‥‥」





そう言えば今日はまだ一回も“お触り“してなかったんだ。


大きな手のひらに、おずおずと自分の手を重ねると、逢坂くんは満足そうに微笑んだ。




なんか、可愛い‥‥(笑)

でも触れ合うのはまだ慣れなくて、ドキドキしてしまうな。





「そう言えばさっきモール内に眼科あったんですけど」


「あーあったかな」


「食べ終わったら一緒に行って欲しいです」




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