「強がってんだよ…気づけバカっ。」
「優の家ってどこ?」
「あ、えーと、家の近くにね、
Kusunokiってパン屋さんあるよぉ
知ってる?」
「あ~、それなら知ってる!!
優の家って、意外と俺の家と近いかもな!
そのパン屋、近いからよく行く!」
「えっ!ほんと?!!」
「おうっ!!」
そっか、こうくんの家って
そんなに近かったんだ。
なんか、近いっていいかも。
でも、それなら、、
「こうくんは中学同じじゃないよね?」
うちの高校はエスカレーター式
だから大体、中学から同じ顔ぶれ。
だけど、こうくんは高校で初めて見る顔だ。
「そうだよ。俺さっ、
外部受験でこの高校受けたんだ。
親の都合で家も引っ越してきたからさっ」
「そうだったんだ〜!」
なるほど、だからなんだ。
同じ中学から進学してきた子達は
すでにグループができてた。
それでも、高校から入ってこんなにもみんなに好かれてるこうくんは、ほんとにすごい!
きっと、こうくんは
私となんか、全く違って、、
みんなを惹き付ける魅力がたくさんあるんだよね。
そう思うと。
横を歩くこうくんと手を繋いでるって
すごく不思議で、、
「あっ、」
「んっ?」
「ううん//」
ときおり繋いだ手にぎゅっと力を入れるこうくんにドキドキする私がいる。