「強がってんだよ…気づけバカっ。」
「優? 家入りなよ?
俺、見届けてから帰るからさっ。」
「あっ、うん…。」
そっか、そうだよね。
帰らないとだよね…
こうくんとの帰り道
ほんとに、楽しくて、、
家のことも何もかも忘れてた。
だから、そんな時間も
もう終わりだって思ったら
変わり果てたお母さんとの時間が
これからまた、始まるって思ったら
まるで、どん底に突き落とされたみたいで
怖い。
こわいっ、、、。
「優?。どうした?」
こうくんの声はひどく優しい。
だから少しだけ頼ってしまいたくなる。
辛いって。怖いって。
助けてって。
だけど、そんなのはただ、こうくんを困らせるだけだってわかってる。
それに、私にはそんなわがまま
言う資格がないんだ。
「あっ、ごめん。何でもないよ!
一緒に帰れて楽しかった。
ありがとう。また、明日ね!」
「えっ?、優っ?」
そう早口で言うと急いで家に向かう。
だって、、
だって。
そうじゃないと、弱い自分が出てきそうで、
こうくんに気づかれちゃいそうで、
ダメだって思ったから。
それなのに…